Esoterica Tobacciana Dorchester (エソテリカ ドーチェスター)
儚い味の物語。
US$9.89/2oz也。(税・送料別)
エソテリカのヴァージニア+ペリクというと、個人的に最も好きなブレンドのひとつである「Esoterica Tobacciana Dunbar (エソテリカ ダンバー)」がありますが、さてこちらはいかに!?
開封時は、ヴァージニアに加えてプラムの香りがしてなかなか個性的です。火をつけるとそのプラムの香りが広がって「なんじゃこりゃ!? ああ…でもこいつは当たりだぜ!」と期待が高まります。プラムの香りがペリクの発酵臭と混ざりあって、乳酸菌飲料、具体的にはヤクルトのような味がします。これが着火直後の「なんじゃこりゃ!?」のインパクトになるのですが、実に旨い。
序盤は前述の「ヤクルト感」がかなり来て、私もそうでしたが、ハマる人には序盤から旨さ全開! ペリクはヤクルト感の下地になっているのですが、ペリク自体の味は控えめで、ダンバーのように「序盤からペリクマシマシ!」って感じではないですね。
中盤になるとプラムの香りは残りつつも、ペリクがヤクルト感の下地からさらに主張して引き立ってきます。ただ、ペリク感自体はダンバーの方が強いかと。パッケージの説明文には、ヴァージニアはフルに熟成されたものを使っていると書かれていますが、コッテリ甘いというよりは、若干の青臭さが残っています。それがプラムやペリクと合わさってスパイス的に効いてとても良い感じ。
終盤はプラムの香りがほとんど飛んでしまい、その分ヴァージニアが立ち上がってきます。とはいえヴァージニアの甘さは控えめで、儚い夢の時間の終わりが近い事を薄々と感じさせてくれます(笑)。エソテリカらしい上品な味で〆てくれる感じかな。ここでもやっぱりペリク感はダンバーの方が強いので、そもそものペリク含有量がこちらの方が少ないのかと。
エソテリカのブレンドって、あまり途中で味が変わらない印象があるのですが、このブレンドは全く違いました。序盤から最後まで、起承転結のように味を変えながらもずっと旨い。素晴らしいブレンドですね! 大絶賛です。
同じく大絶賛級のダンバーとは、好みとしては甲乙付けにくいですが、こちらの方がピーキーですね。
なお、プラムの香りは飛びやすいようなので、エアフローの良いパイプで、火をつけたら一気に最後まで喫い切っちゃった方が楽しめます。一度火を消して時間が経ってから残りを喫うと割と普通になっちゃうかも。パッケージも開封したら早めに開けちゃった方が良さそう。プラムによるヤクルト感がなくても十分旨いんですが、せっかくこのブレンドを喫うならばヤクルト感からはじまる味の物語を楽しみたいですね。
エソテリカの常で入手困難なのですが、なるべく8ozよりも2oz缶をたくさんキープしておきたいブレンドです。かなりお薦め!