McClelland Royal Cajun DARK (マクレーランド ロイヤル ケイジャン ダーク)
「ケイジャンブラック」を編み出したマクレーランドの“志”を感じる、エッジの効いた味わい。
US$10.75/50g也。
レビューしたパッケージのロット番号:970715
着火すると、ケイジャンブラック特有の濃厚な味わいはあるものの、妙にエッジの効いたスモーキーさがっ! これには少々意表を突かれました…というのは、“Royal Cajun”シリーズにはコッテリと濃厚なスモーキーさを期待していたのですが、まるでケンタッキーのようなトンガリ具合。これがなんというかゴーヤっぽい。
そういえば、ケイジャンブラックは「遠い昔から南ケンタッキーの肥沃な土壌で栽培されているヴァージニアを元に異種配合した葉を元にしている。」とのことだったので、「ラタキアっぽいはず」というのは私の勝手な思い込みで、そもそもが(地域と葉っぱの種類を混同しているにしろ)ケンタッキー的な味わいを持っているのかもしれません。ただ、明らかに他の2ブレンドの濃厚さとは異質な味わいです。
終盤まで味の変化は少ないです。とにかく、”Royal Cajun”シリーズの他の2ブレンドにはある、「コッテリ感」「濃厚さ」が沈んでしまっているのが惜しい! という印象を消せませんでした。
正直、最初の7〜8ボウルは「なんだかなぁ…ゴーヤ食ってんじゃねぇんだから」という印象で好きになれませんでした。喫い続けていると、好みの問題はあるにしてもバランスとしては悪くないし、「ケイジャンブラックという新しい製法を世に問おうとした場合、こういうバリエーションも必要なんじゃないかな」という思いが。例えばラタキアの場合、多くのパイプスモーカーは「ラタキアが含まれているブレンド A は好きだけど B は苦手」というのがあると思います。それだけ幅広い味わいのブレンドが存在していますよね。ケイジャンブラックについても、単なるキワモノで終わらせずに幅広いブレンドのベースにしようという狙い、大げさに言えば「志」があるんじゃないだろうかと思うに至ったわけです。ビジネスライクに言い換えると「せっかく作ったんだから、バリエーションを作って広く受け入れられる(売れる)ようにしよう!」ということですね。
「McClelland Royal Cajun Ebony (マクレーランド ロイヤル ケイジャン エボニー)」を紹介した際に、
シリーズラインアップの戦略として「激しくど真ん中=スペシャル」「ペリク寄り=エボニー」「ラタキア寄り=ダーク」なのではないかと予想していますが、果たしてこの予想は当たるか?
と書きましたが、この予想は一部当たったものの外れたようです。一部の当たった部分というのは「ペリクっぽさ」で、ここに着目した場合、ペリクっぽい方から順に「エボニー>スペシャル>ダーク」になります。一方「ラタキアっぽさ」という切り口で分類しようというのはそもそも外れましたね。今回の「ダーク」でシリーズの3ブレンドを全て経験した後の印象では、「激しくど真ん中=スペシャル」「コッテリまろやか=エボニー」「すっきりしてエッジを効かせる=ダーク」という狙いでのラインアップだったのかと。
“Royal Cajun”シリーズに今後新作が出るのかどうかはわかりませんが、パイプ煙草という古臭いニッチなジャンルで新しいチャレンジをしているマクレーランドをリスペクトするとともに、どうせならばもうひと頑張りしていただいて、「ケイジャンブラックを使ってこんな味わいも出せるのか!」と、その可能性に驚かされるような新作を出していただきたいと、ファンとしては思います。