McClelland Balkan Blue (マクレーランド バルカンブルー)

濃い口で旨い！　しかしながら繊細さも併せ持つ「伝説のブレンド」の再来。

US$ 10.29/50g也。（税・送料別）

2011年のシカゴパイプショーのバルカンブレンドコンテストで”People’s Choice”を受賞し、製品化されたブレンド。当初”Blue Mountain”というブレンド名だったのが”Balkan Blue”に改名されたそうです。

このコンテストの内容がなかなか面白かったので、まずは“PIPESMAGAZINE.COM”のこちらの記事の抄訳を…。

• コンテストの趣旨は「”Balkan Sobranie”の再現」。
• 「オリジナルの”Balkan Sobranie”」として、1980年中盤の刻印がある”Balkan Sobranie 759″（200g 缶）を、著名なコレクター Fred Hanna 氏から US$700 で購入。
• 各参加者（ブレンダー）は、上記のオリジナル”Balkan Sobranie 759″を 14g ずつ受け取り、それを参考に味、外観、香り、総合的な喫煙の質を再現したブレンド3ポンドを、期日までに用意する。
• 審査員（3名）は、それらを100点満点で採点し、最も高得点のものが勝者となる。なお、 シカゴパイプショーの来場者は、会場でこのサンプルを味わうことが可能。
• 審査の結果、McClelland の Mike McNeil、Hearth & Home の Russ Ouellette、Altadis の Carl McAllister の3人のブレンダーの作品が「 “Balkan Sobranie”に最も近い」として表彰。

なお、その後、かなり入手困難ながら”Balkan Sobranie”は復活し、私も2缶ストックしているのですが、畏れ多くて未開封のままです…。

というワケで、開封するとオリエンタルとラタキアが混ざり合ったやや強めの香りで「こいつは濃そうだな…」と期待が膨らみます。火点き、火保ちは良好で、何も気にせずにイージーに喫煙できます。

着火すると、ヴァージニアの芯をオリエンタルで包んで、さらに外郭をラタキアでコーティングしたような味わいが広がります。ラタキアは結構強めに効いてきてかなり濃厚。また、オリエンタルが特徴的で、スパイシーさと甘さの二面性が見事に両立しています。特に甘さはヴァージニアの甘さと補完しあって、なんともゴージャス！　開封時の予想通りかなり濃い口なので、何か飲みながらじゃないと若干辛いものがありますね。個人的には、コーヒーとのマッチングがバッチリでしたが、ミネラルウォーターもかなり良い感じですね。

中盤になるとヴァージニアがやや後ろに下がり、その代わりにラタキアが出張ってきて、同時にオリエンタルもスパイシーな一面が強調されて濃厚さとコッテリ感さらにアップ。

終盤も基本的には中盤と同様の味ながら、舌が慣れてくるせいか、一度沈んでいたヴァージニアがかすかに浮かび上がってきて、濃厚さの中にも繊細さがっ！　濃厚なだけに飽きやすいかと思いきや、しっかりと味の変化を演出して、さすがです。

いや〜これは旨い！　個人的に濃い口のブレンドが好きというのがありますが、まさにど真ん中で、早速次の分をオーダーしました。”Balkan Sobranie”という伝説のブレンドを高い完成度でコピーしたブレンドですから、特にオリエンタル／ラタキアが苦手という方以外は、せっかくパイプスモーキングを楽しんでいるからには、是非とも味わっていただきたい逸品と言えるかと。

なお、前述のコンテストの結果より、このブレンドが正統派のバルカンブレンドだとすると、今まで、その濃厚さ故に異端だと勝手に思っていた「DAN Tobacco BILL BAILEY’S BALKAN BLEND（ダンタバコ バルカンブレンド）」が、意外と正統派だったんだなぁと驚かされるほど、味の方向性に近いものがあります。違いとしては、濃厚さは同じようなもので、ダンタバコの方がラタキア強めで若干脂っこく、こちらの方がヴァージニアの効きが強く繊細かな。ダンタバコのは国内でも容易に入手できるので、海外通販に手を出したくないけど、正統派のバルカンブレンドの片鱗を味わいたいという方は、ダンタバコのバルカンブレンドを試してみてはいかがでしょうか。